つれづれ音楽NOTE

ジャズピアノの練習やレッスン、音楽制作のこと等々、気の向くままに思っていることを綴るブログです。

一番の教本はプロの演奏

私がジャズを本格的に勉強し始めた80年代中頃ってまだインターネットなんてありませんでした。
しかし、時代は変わって今ではネットの動画サイトでプロの演奏だけでなく、レッスン動画なども無料で見ることができるようになり、勉強するのにとても便利な時代になりました。

ただ、それって良い面だけでなく、問題もあります。
今はレッスン動画を見て勉強されている方も少なからずいらっしゃるかと思いますが、動画サイトにアップされているレッスン動画って玉石混交で、特に日本人の場合、中には素人さんが作ったような動画も結構あるんですよね^^;。

アップするのは自由なんですが、ジャズをこれから始めようという初心者の方には判断がつかないので、そういう素人さんが作ったような動画を見てその内容が正しいと思ってしまったりマネしている人を時々見かけますし、中には、初心者レベルの人がアップしている動画の演奏や、ジャズピアノ教室の発表会の動画の演奏を見てマネしている人もいらっしゃって、参考にするならもっと見るものを選んでほしいなって思ってしまいます^^; 。

元が初心者レベルのものをマネしても、それ以上にはなれないですし、そもそもノリが全然違います。最近になって、今はそういう問題があるのか〜と気づかされました。

昔はインターネットなんて無くて、参考にするのがプロの演奏(レコード、CD)しかなかったのが逆に良かったのかもしれません。

初心者だからいきなりプロの演奏を聴いても分からない、自分にはそういう初心者向きの動画や同じくらいのレベルの人の演奏を参考にするのが合っていると思うのかもしませんが、初心者だからこそプロの良い演奏をいっぱい聴いてほしいなと私は思うのです。

プロの演奏をほとんど聴かずにそういう初心者向きレッスン動画や教則本だけを見て最初から、ジャズのアドリブってコードトーンを弾けばいいんだなとか、教則本に載っているフレーズを弾けばいいんだなとか、そういう風には思ってほしくはないのです。(つまり、順番が逆なんですよね^^; 。)

もちろん、最初からいきなりキース・ジャレットブラッド・メルドーなどを聴いても何をやっているのか分からないかもしれませんが、レッド・ガーランドウィントン・ケリー等は初心者でも比較的わかりやすいと思いますし、実際自分も昔ジャズを勉強し始めた頃よくコピーしました。もう60年くらい前の演奏ですが、今改めて聴いても本当に素晴らしい演奏で、まだまだマネしたいなと思うところがいっぱいあります。(もちろん、好きなミュージシャンがいらっしゃれば、その人の演奏を聴くのが良いです!)

あのグルーブ感やフレーズの歌い方は、日本人が作った初心者向きの動画ではなく、やはり本場のプロの演奏を聴かないとわからないと思います。歌心なんて教則本には載っていませんし、言葉ではなかなか説明できません。実際のプロの演奏こそが一番の教本だと思います。

前にも書きましたが、ジャズ(に限らず音楽)はまず自分で聴いてみて、かっこいい! 美しい! マネしたい!という気持ちになること、感じることが習得するための原点だと思っています。

なので、とにかくまず最初は(できるだけ本場の)プロミュージシャンの演奏を、聴いて、聴いて、聴きまくって、かっこいいな!素晴らしいな!と自然に感じて、心を動かされていただきたいです。そして、参考にするなら、そういう演奏を参考にしてマネするようにしましょう。

ツイッターのアカウントを変更しました

いろいろご心配おかけして申し訳ありません。
私の音楽用ツイッターアカウントは固定電話の番号を登録していたため、SMSで認証コードが受信できないんですよね。ログインできないから電話番号の変更もできなくて、どうしようもない状態でした。

で、ロック解除申請から1週間たっても返信がこないので、もう諦めてアカウントを新しく作り直しました。

新しいアカウントは @u_quassy_music です。

ブックマーク等されていた方は、恐れ入りますが登録変更よろしくお願いいたします。


<追記> 2019.8.18
前のアカウントは8/12にツイッターから謝罪メールが来てようやくロック解除されましたが、もう既に新しいアカウントに移行しておりますので、いいねに貯めていた情報を新しいアカウントに移したら削除しようと思います。

アカウントがロックされた話

久しぶりの投稿がこんなので申し訳ないですが、現在私の音楽用ツイッターアカウントがロックされてしまっています。。。

今週の火曜日からツイッターのPCの仕様が大幅に変わって、めっちゃ使いづらくなったのですが(-_-;、アカウント切替ができるようになったとのことで、それだけは褒めてあげようと思いながら昨日別アカウントの方に音楽用アカウントを登録したら、いきなりロックされていると表示され、使えなくなってしまいました(-_-;。

ツイッターのルールに違反する自動化された行為が原因ってメールで送られてきたけど、自動化なんてしてないのに〜。私は今回初めてですが、こういう誤ロックってよくあるらしいですね。。。

今はロック解除申請中ですが、数日かかるみたいで、もし数日待っても解除されなかったらもう新しいアカウントを作り直そうかと思います。まあ、まだ60ツイートくらいしかしてなかったから別にいいんですけどね…。(ただフォローやリンクをし直したり、いいねに貯めていた情報を探し直すのが面倒^_^;。)

そんなこんなで、今は私のツイッターを見ると、「注意: 一時的に制限されているアカウントです。このアカウントは不審な行為が確認されています。表示してもよろしいですか?」って出てきてびっくりすると思うんですけど、どうかお気になさらずに〜。表示はできるみたいです。

ということで、とりあえず状況報告でした。

MAX値を上げて引き算する

先日、あるタレントさんがラジオで言っていたのですが、印象に残った言葉だったのでメモしておこうと思って書いてみます。

盛れるようになってから引き算ができる

料理の盛りつけでも、一流の料理ほど何もしていない風に見えるけど、実は間引き倒して綺麗に見えている。一見シンプルに見えているけど、実はめちゃくちゃ計算されている、という例を挙げていました。

つまり、MAX値を上げていくことにより様々な細かい引き算ができるようになる、いろいろ盛ることを知っているからこそ、そこから必要なものだけを残すことができるということだと思います。余裕がある、ということでもあるでしょうね。

若い頃は盛ること(プラスすること)に魅力を感じて、それに一生懸命になるかもしれません。でもそれは決して悪いことではなく必要なことであって、盛り方をいろいろと知っていくうちに、ある時期からだんだんそこから引き算することに魅力を感じていく。出せるものをあえて出さないことによってその部分を想像させることができる。飾らないことによって素材を生かすことができる。日本の「わび・さび」にも通じるお話ではないかと思います。

これは料理だけでなく、音楽表現にもいろいろあてはまることだなと思って聞いていました。


この話と関係するかどうかわかりませんが、今度MIDIの規格が1.0から2.0にバージョンアップするそうで、例えば音の強さを表すベロシティをとってみても、MAX値が現在の127から65,535にまで上がるそうです。今まで128段階(0を含む)で表現していたものが65,536段階で表現できるということですから、そうなると、もっともっと繊細な表現ができるようになるということですね。

数年後のことなので実際どんな感じになるのかはわからないですけど(その頃まで自分がまだ音楽制作やってるかどうかもわかりませんが^^; )、夢が広がる話ではあります。音源もそれに対応してどんどんリアルに近づいて、もう生楽器と打ち込みの区別がつかなくなっていくんでしょうねえ。

・・・ちょっと話が飛んでしまいましたが、このMAX値と引き算の話で思い出したので。


枠(知識、技術、選択肢)というのはどんどん広げていった方が良くて、それに応じて、その中からその時その時に最適なものを選んで何を引くか決めるのは、かなりのセンスや計算力が必要になります。私もMAX値を少しずつ上げていきながら、いい引き算ができるよう、これからも努力していきたいなと思いました。

個人レッスンとグループレッスン

現在、私のレッスンは個人レッスンのみなんですが、今後はジャズピアノのグループレッスンの開講も考えています。


個人レッスンのメリットはやはり、それぞれの生徒さんのご要望や、練習できるペースに合わせて進められるというところですね。

なので、ピアノ初心者の方や、お仕事等でお忙しくてスケジュールが不規則な方、自分は特にこういうことをやりたい等のオーダーメイド的な内容をご希望の方の場合、個人レッスンはとても効果的です。

しかし、自分のペースでできるということは、逆に練習してこなくてもそれで済んでしまうという面があり、そうなるとなかなか上達しないので、人によってはそれがデメリットになるかもしれません。

また、私がお手本みたいな感じで弾いても、先生だから弾けて当たり前、自分は生徒だから弾けないとか(最初から難しいと諦めてしまっている)、そういう風に思ってしまうこともあるのかなと感じる時があります。


そういった面を考えると、クラシックなどピアノ経験がある程度ある方でジャズは全く初めてという方の場合は、人によっては最初はグループレッスンの方が効果があるのではないかと考えます。

ジャズをやるために最初に身につける基礎的な部分は皆大体同じですので、他の生徒さんの同じ課題の演奏を聞くことで同じ生徒という立場で刺激になったりしますし、ベースライン・ピアノ・リードシンセ等、パートに分かれて一緒に演奏したりということもグループレッスンだと可能です。こうすることによって、ベーシストやリード楽器奏者の立場になってピアノのバッキング等の演奏を考えることもできますし、練習していないと他の人に迷惑がかかってしまうので、練習せざるをえない状況になります。(これはバンド練習でも同じですね。)

また、同じことを学んでいる仲間ができると、気持ちの上でも一人で練習するよりも心強かったりするのではないでしょうか。


ということで今、グループレッスンのための準備および検討中です。
具体的なことが決まりましたら、またこちらでお知らせさせていただきますね。

魔法の言葉で取りかかろう

自分は、あることをするのに一度取りかかればすごく集中してどんどんやれるのですが、取りかかるまでがなかなかで、結構大変だったりします。

特に、やらなければいけないことに対してその傾向があって、わざと避けているというか、「他に先にやることがあるから」とか「今日は疲れているから」などと自分に言い訳を作って、ついつい先延ばしにしてしまいます^^;。
いわゆるギリギリに追い込まれないとやらないタイプなんです。

このやらなければいけないことに対して「あ〜、〜しないといけないな」というフレーズを頭の中に思い浮かべると、何だか義務感を感じたり、今すぐやらない言い訳を考えたりして、結局やっていないことでストレスを感じたりするんですよね。

たとえ趣味や好きでやっていることでも、義務感を感じることによって何だかやる気をなくしてしまうこともあります。同じようなタイプの方、きっといらっしゃるのではないでしょうか。

でも、何かで聞いてから、この「〜しないといけない」を「〜したい」に変えるようにしたら、自分は気持ちが全く変わるようになりました。
すごく簡単なことなんですが、これってモチベーションを上げるための魔法の言葉かもしれません。

例えばピアノであれば、レッスン日やリハーサル日が迫っているのに全然練習していないという場合、ついつい「あ〜、ピアノの練習しないといけないな・・・」って思ってしまうかもしれません。

もしこう思ったら「あ〜、ピアノ弾きたいなぁ!」と言ってみましょう!

心の中で言うだけでも効果はありますが、口に出して言うとさらに効果があるかも。
もうこれだけであなたの目はきっとピアノの方を向いていますよね。
さらに「弾きたい、弾きたい!」と言えば、もうあなたはきっとピアノの前に座っていることでしょう。

毎日お仕事などでお忙しい方が多いと思いますが、ピアノの練習はたとえ5分でも、毎日続けることに意味がありますので、まずはこの方法で取りかかってみてはいかがでしょうか。たぶん一旦弾き始めたら5分では終わらなくて、もっと弾きたくなるんじゃないかと思います。

これはもちろんピアノに限らず、他の事でも使えます。
何かしなければいけないことがあった時、もし「〜しないといけない」とか「〜しなくちゃ」というフレーズが自分の頭の中に出てきたら、すぐに「〜したい!」に変えて言ってみましょう。

きっと、すぐにそれをやりたい気持ちになって取りかかれると思いますし、やり終えたら「やったぞ」という達成感を得られて、やっていない不安感やストレスもなくなるので、清々しい気分になれますよ。

ぜひ試してみて下さい♪

新しい年。気持ちも新たに。

少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

昨年お世話になった皆様、どうもありがとうございました。

今年は自分の想いを何らかのカタチにしていけたらいいなと思っています。

相変わらずマイペースですが、今年もどうぞよろしくお願いします。

 

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絶対音感

十数年前にブログをやっていた頃に、絶対音感のことをちょこっと書いたことがあります。もうそのブログはありませんので、その時の内容をそのまま転載しますね。

 

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絶対音感

私は幼少の頃から親が音楽をやらせてくれたおかげで、絶対音感がついて、巷で流れている音楽なども、移動ドではなく、きちんとそのキーの音で聞こえてきたのですが、ここ数年になって、あることに気がつきました。

絶対音感って、トシ取ると狂ってくるようなんです(^^;。今では半音〜全音、平気でずれて聞こえてくることがあります。でも、合っている時もあるんです。なので、キーがCやAmの曲だったりすると、逆に不安にかられます(苦笑)。今では必ずピアノで実際に音を出して確かめないと自信がありません。最初に、鳴っている音が何なのかわからなくなった時は、本当にショックでした。。。

絶対音感の人にはきっとわかってもらえると思うのですが、ピッチがおかしい音を聴くと、何の音なのか判断しづらくなって、めちゃくちゃ気持ち悪いですよね。それが今、私はずっとそういう感じなんです。音程が合っているはずなのに合っていないような気がして、本当に気持ち悪いんです(^^;。実はここ1年ほど、弦楽器をやっているのですが、自分の感覚でチューニングしてみると、かなり高めになるということがわかりました。フレットがないので、ポジション移動なんかすると、かなり高めの音程で弾いていて、開放弦を弾いた時に、えっ!?っていう感じになります(^^;。

私の回りにいる数少ない絶対音感の知人は皆、私よりも年下なので、絶対音感ってトシ取ると本当に狂うものなのか、それとも自分だけなのか、その辺が実際どうなのかわからなくて、とても知りたいところです。もしたまたま私よりも年上(いくつなのかは書けないけど(^^;)の絶対音感の方がこれを読んで下さっていて、自分もそうなんですよ!という方がいらっしゃったら教えて下さい。  

November 17, 2005

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 この記事を書いてから13年たちましたが、今の私はほぼ全音上に聴こえています。例えば、キーFならキーGに聴こえます。中途半端なピッチではなくなったので、聴いていて何の音なのかわからないという気持ち悪さはなくなりました。

でも、ピアノを弾いている映像を見ながら演奏を聴くと、鳴っている音(自分が聴こえる音)と押さえている鍵盤が違うので、それはやはり気持ち悪いです(苦笑)。

この記事を書いた時は結局誰からも反応がなく、当時はまだツイッターのようなSNSも無かったので、絶対音感ってトシを取ったら狂うものなのかということがわからなかったのですが、その後数年たってからネットで検索してみたところ、やはり加齢によって上がって聴こえる人が多いという研究結果があることがわかりました。(低く聴こえる人もいらっしゃるようです。)

悲しいことだけど、加齢では仕方がないですね。1ステップ、変換する作業が入るようになって、耳コピが不便になったり、演奏中メンバーの音にとっさに反応するのが難しくなったりしましたが(特にフリーインプロのように無調だったりキーが決まっていない曲の時)、自分でそのことを受け入れるようにしたら、気持ちが少し楽になりました。

まあしかし、昔は楽譜と実音が異なる移調楽器というものは自分には絶対できないと思っていましたが、今ならソプラノサックスのようなB♭管なら違和感なくできるかもしれないです(笑)。

 

絶対音感の人は相対音感がないって誤解されていることがあるようですが、相対音感もあります。というか、これは小さい頃から音楽をやっていてキーの概念があったからだと思うのですが、例えば他のキーをキーC(ここでは移動ドの意味)として聴くのは難しくありません。つまり、基準音が自分の中にあるか外にあるかの違いだけです。

(キーの概念がない絶対音感の人には難しいかもしれませんが、絶対音感のある人ってほとんどが幼少時から音楽をやってる人なので、全調のスケール練習もしていると思うし、たぶん同様の方が多いのではないでしょうか。)

ただ、移動ドとして聴く時は思考モードを別のものに切り替えるって感じになります。スイッチをONにするというか。普段スイッチをOFFにしている状態だと、そのままの音(固定ド)で聴こえます。

ただ、私の場合は固定ドでも常に度数は同時に理解している(ドレミファソラシではなく1234567で意識している)から、自分が演奏する時に移動ドで考えることはほぼなく、使う場合というとレッスンで教える時に生徒さんが移動ドだったら移動ドで言う時があるっていうくらいです。

 

相対音感の場合はキーC(移動ド)から別のキーに移調する(というのが的確な表現かどうかわかりませんが)ことが多いと思うのですが(もちろん相対音感で固定ドの方もいらっしゃいます)、今の私の場合は、それでもやはりスイッチをOFFってる方が楽で、耳コピ等で聴く時にほとんど、聴こえてくるキーから別のキー(全音下)に移調するということをやっているのでちょっとややこしいんですけどね。それはそれで、頭を使う訓練をして老化防止に役立っているとポジティブに考えればいいのかな^^;。

クイーンの思い出

私は実はストレートアヘッドなジャズを本格的に聴くようになったのは、大学を卒業して社会人になってからで、大学生の頃は当時全盛だったフュージョン系、中学〜高校生くらいの頃は洋楽ロック大好き少女(笑)でした。

で、特に中学生の頃は1番好きだったのがビートルズ(もちろん解散後です!(笑))で、当時ファンクラブに入るほどハマっていて、2番目に好きだったのがクイーンでした。(トシばればれ!)

ビートルズのことはまたいつか機会があれば書いてみたいなと思っていますが、この間クイーンをモデルにした映画「ボヘミアン・ラプソディ」が日本で公開されたので、先日観に行ってきました。映画を観て、色々当時のことを思い出してとても懐かしい気持ちになったので、今日はクイーンの思い出でも書こうかなと思います。


中学生の頃、ビートルズをきっかけに洋楽を聞くようになった私は、当時やっていたFMのラジオで「ポップスベストテン」という番組を毎週聴いていました。これは歌謡曲(邦楽)とポップス(洋楽)の2部構成の番組で(まだJ-POPなんて言葉もない時代で、ポップス=洋楽でした)、ポップスはシリア・ポールさんがDJだったと記憶しています。

そんな中で、初めてクイーンというバンドを知ったのは「輝ける七つの海(Seven Seas of Rhye)」がヒットチャートに上がってきた時です。あの印象的なピアノのイントロと、厚くて高音のすごいコーラス、よくわからん曲構成を聴いて、何っ、このバンド!?と衝撃を受けました。どうやら前年デビューしたばかりのイギリスのバンドとのこと。当時好きで聴いていたハードロックと言えば、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリングランド・ファンク・レイルロードとかでしたが、他のバンドとは全然音の雰囲気が違う! これはぜひアルバムを聴いてみたいと思いました。

と言ってもまだ中学生で、アルバム(LP)を買うお金も無かったので、FMラジオでクイーンの特集があれば、当時の最新兵器”ラジカセ”でカセットテープに録音し(いわゆるエアチェック)、それを毎日繰り返して聴いていました。(当時は新譜のアルバムをFMラジオで丸々かけてくれたりしていたんですよね。)英語の勉強をするために欲しいと言って親に買ってもらったラジカセだったのに、ほとんど音楽ばかり聴いてて、ごめんなさい。

で、最初に聴いたのが発売されたばかりの2枚目(「プロセッション」から始まるやつ)で、バロック的な雰囲気から始まって次の曲「Father To Son」に繋がってジャーンとハードロックになるのがかっこよくて、ボーカルもコーラスも演奏もアレンジもすごくて本当にアルバム全体がお気に入りの曲ばかりでした。その後1枚目や、3枚目以降も出るとすぐ聴きましたが、どのアルバムもバラエティに富んだいろんなスタイルの曲が入っていたので飽きなくて、毎日聴いていました。

  2枚目『クイーンⅡ』


  3枚目『シア・ハート・アタック』

3枚目の最初の「ブライトン・ロック」は、ギターソロが津軽三味線みたい!と思ったし、そして今回の映画のタイトルになっている4枚目収録の「ボヘミアン・ラプソディ」は途中でオペラ風になったりして(正直、初めて聴いた時は変な曲っ!って思ったけど^^;)、他にもカントリー風やらクラシック風やらいろんな要素があって、単なるハードロックバンドではなく、かと言ってプログレほど難解でも演奏メインでもなく(当時の私にはELPピンク・フロイドのようなプログレはよくわからず、その良さと凄さがわかるようになったのは、大人になってフュージョン〜ジャズをやるようになってからです)、とにかくボーカルとコーラスがすごかったので、それまで聴いたことがない本当に個性的なバンドだと思いました。

  4枚目『オペラ座の夜』

確か「キラー・クイーン」がヒットしたあたりから、日本ですごく人気が出てきたように思います。でも、なんか当時はなぜかアイドル的な感じで人気が出て、学校でもクラスの女子の間で、新御三家の中で誰が好き?っていうのと同じようなノリで、クイーンの4人の中で誰が好き?みたいな会話を普通にしていました。(ちなみに、やはりルックスからロジャーが一番人気でした。)

まだビデオも普及していない時代だったので、彼等のことは「MUSIC LIFE」や「音楽専科」などの雑誌に載っている写真とレコードの音源でしか分からなかったのですが(実はライブ映像を観たのはだいぶ後になってからです)、私は最初曲を聴いてクイーンを好きになって、後から雑誌で写真を見て、まず、あんな厚い音なのにメンバーが4人しかいない(ギターが1人しかいない)ことに驚いて「へえ〜、こういう人たちだったんだ!?」と思ったくらいだったので、こんな感じで人気が出てきたのはなんか違うなぁと秘かに思ったりしていました(苦笑)。

ちなみに私は当時4人の中ではブライアン・メイが好きでした。あくまでもギターがすごいから好きだったんですが。フレディのピアノも耳コピして、よく弾いていました。

私の中ではクイーンというと思い浮かぶのが大貫憲章さんです。当時、NHKラジオの「若いこだま」という番組で、DJの大貫さんや渋谷陽一さんがクイーンの話をしていたのでよく聞いていました。待望のクイーン初来日の時も、この番組にメンバーがゲスト出演して(スタジオゲストではなく、インタビューの録音だったかもしれない)、大貫さんが本当に嬉しそうだった記憶があります。(なんせ40年以上前のあやふやな記憶なので、もし渋谷さんとごっちゃになっていたらごめんなさい!)その時は確か、ブライアンが100年以上前の暖炉の木で作ったギターの話とか、空港に女性ファンがいっぱいいて本当にびっくりしたという話とかしていたのを覚えています。誰か忘れたけど女性ファンから「パンツ脱いで〜」と言われた話もしていたような・・・。(今思えば、なぜ録音しておかなかったのか・・・。)

でも、中高生でお金がなかった私は結局一度もクイーンのコンサートには行ったことがないし、大学生になってからはフュージョンの方に興味が移って行ってしまったので、クイーンを聴いていたのは70年代まで(アルバムだと「ライヴ・キラーズ」まで)です。

  1979年『ライヴ・キラーズ』

20代の頃、たまたま久しぶりに見かけたフレディはすっかり見た目が変わっていてびっくりしたし、亡くなった時も「ああ、そうだったんだ・・・」って初めて彼のプライベートなことを知った感じだったので、ずっとクイーンのファンを続けていらっしゃる方からしたら、私なんて全然ファンとは言えないと思います。だから、ただただ当時クイーンの音楽が大好きだったとしか言えないんですけどね。

・・・以上、とりとめのない思い出話ですみません^^;。


さて、今回の映画ですが・・・

ネタばれになるので、内容は書きませんが、フレディ以外の役者さんがそっくりなことには本当にびっくり&感心!! よくこれだけ似ている役者さんを見つけてきたな、と。私は特にジョン・ディーコンが本人かと思うほど似てると思いました。

あと、ライブシーンの完コピぶりも見事です! 音響も良かったし、大きなスクリーンで観ていると、実際にクイーンのライヴを見ているような気持ちになりました。

当時は歌詞なんて全然気にしていなかったので、字幕で歌詞の内容が表示されて、ボヘミアン・ラプソディってこんなに衝撃的な内容の歌だったのか!って今更びっくりしたり。

映画のフレディの歌声はどうやって撮影したんだろうと思いましたが、あとで調べたら、フレディ本人の音源と、役者のラミ・マレック、歌声がそっくりな方、という3人の歌声が混じっていたようです。見ている時は全部フレディが歌っているように聴こえて、全く違和感がありませんでした。

私がクイーンを聴いていたのは70年代の6〜7年だけだったので、80年以降の曲はほとんど知らず(恥ずかしながら「Another One Bites the Dust」も「Radio Ga Ga」も知りませんでした)、へえ、こんなポップな感じの曲もやっていたのかと意外に思ったり。

でも「Radio Ga Ga」の歌詞にはほろっとしました・・・。私も上に書いたように、10代の頃はラジオをよく聴いていて、洋楽の情報はラジオから得ていたので。

映画は実際のエピソードとは年代が前後してたりもしていたようですが、当時、音楽面しか知らなかった自分は、裏側ではこんなことがあったのかとか、この曲はこうやって生まれたのかというのを知って、いろいろと感慨深いものがありました。

ただ、昔クイーンが好きだった者としては、やはり役者さんではなく本人達が歌って演奏している映像を見たいと思ってしまうので、もう1度観に行きたいかというと微妙なところではありますが、懐かしい曲を良い音響でいっぱい聴けて、久しぶりにまたアルバムを聴いてみようという気持ちになったし、ネットはもちろん家庭用ビデオすらなかった当時は動くクイーンの映像なんて見れなかったので、今になって動画サイトでいろいろ見たりして(なんとクイーン公式チャンネルがあるんですね!)、新しい発見もあって本当に良い機会になったと思います。

特に初期の頃の曲を久しぶりに聴くと、懐かしいと同時に、ジャズをやっているうちに忘れがちになっていたけど曲作りってこれくらい自由でいいんだということを改めて思い起こさせてくれたという感じです。

ボヘミアン・ラプソディサウンド・トラック

この映画をきっかけに若い方達にクイーンの音楽の良さを知っていただいたりするのは嬉しいことなので、当時クイーンのファンだった方も、クイーンを知らなかった方も、ぜひ1度はご覧になっていただきたい映画だなと思いました。

基礎練習 - コードトーンの練習

レッスンの時間というのは月1〜2時間、多い人でも4時間くらいと非常に限られているため、大人の生徒さんの場合、できるだけ効率的に進めていきたいというのもあって、毎回出している課題は必要最低限のものにしています。しかし、これはもう本当に最低限なので、教えていて時々悩むところではあります。

例えば、ジャズピアノのレッスンでは、まずコードトーンを覚えたら、そのための応用曲(コードトーンのみで弾く曲)は数曲しかやらないのですが(ジャズをやりたいということでコードトーンは基礎として理解して、そのあとのテンションを入れたコードをメインにするため)、コードが初めてという方にとっては、それだけだとコードトーンを身につけるには正直なところ全然足りないんですよね…。

自分自身、ジャズでテンションノートを勉強するまでに、ロックやポップスなどでコードを使ってどれだけの曲数を弾いたのか考えると、それはもう数えきれないくらいの曲数を弾いてきました。

なので、コードネームを見てコードトーンがパッと思い浮かばないというのは、初めてであれば当然なんですが、そういう方はレッスンの課題曲だけでなく、自主的にどんどんいろんな曲でコードを見て弾いていただきたいなと思っています。

昔は「明星」など芸能雑誌の付録に歌本というものがついていました。当時のヒット曲などの歌詞とコードがかなりの曲数載っていたので、昔それを見てギターでコードを弾きながら歌っていた方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。ギターの人ってそうやってどんどんコードを覚えていくんですよね。ピアノの人もコードをマスターしたいなら、同じようにやっていくのがいいと思います。

今はわざわざ本を買わなくても、ネットに歌詞とコードが載っているサイトとかあるようですので、そういうので自分が知っている曲や好きな曲のコードを見ながら弾いてみてはいかがでしょうか? コードの練習だけだとつまらないけど、好きな歌をコードで伴奏しながら歌うと楽しくなるかもしれません。(サイトによっては移調したコードまで表示されるものもあります。最初は簡単なキーからやってみるとか、同じ曲でも移調するだけでいろんなキーのコードで練習できるので便利ですね。)

弾く時はコードの基本形だけでなく転回形も使って、トップノートの流れも意識して、できるだけスムーズにコードチェンジできるよう、自分で工夫していくことが大事です。

ジャズをやりたいのにポップス弾くの?と思われるかもしれませんが、まずはコードの構成音がパッと出てこないことには、結局ジャズのアドリブは弾けないんですよね。

ジャズのアドリブでは、今弾いているコードを意識するだけではなく、次のコードで使える音(コードトーン&テンションノート)にフレーズがスムーズに繋がるように弾いています。数小節先までコードの流れも意識して、コードトーンとかはほとんど無意識レベルに近い状態で理解しているという感じです。

しかし生徒さんを見ていると、テンションを入れたコードの押さえ方までマスターしても、手の形で覚えてしまって、コードトーンだけで弾く場面になると音がわからなくなる方は結構いらっしゃいます。最初に習っても忘れてしまうんですよね…。

Ⅱ-Ⅴ-Ⅰの形で全キーで練習しても、その順番で最初から弾いてみないとわからないとか、九九を覚えても4×6=24を出すのに、2×2=4から順番に全部言わないと分からないみたいな感じだったりします。

せっかくコードを習ったのですから、そういう方は上に書いたように課題曲以外のいろんな曲を歌詞とコードだけ見て弾いてみるとか、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰをランダムなキーの順番で弾いてみるとか、練習方法を自分でいろいろ工夫してみて下さいね。

練習というのはあくまでもレッスンのためではなく、自分自身が音楽を楽しむためにやるものですから、好きな曲をどんどん自主的に弾いてみましょう。仲間とバンドを組んで練習するのも楽しくて良いと思います。練習というより、遊ぶという感覚です。

いろんな曲を弾いていると同じコードが何度も出てきて、やっているうちにコードトーンがパッと押さえられるようになりますよ。