MAX値を上げて引き算する
先日、あるタレントさんがラジオで言っていたのですが、印象に残った言葉だったのでメモしておこうと思って書いてみます。
「盛れるようになってから引き算ができる」
料理の盛りつけでも、一流の料理ほど何もしていない風に見えるけど、実は間引き倒して綺麗に見えている。一見シンプルに見えているけど、実はめちゃくちゃ計算されている、という例を挙げていました。
つまり、MAX値を上げていくことにより様々な細かい引き算ができるようになる、いろいろ盛ることを知っているからこそ、そこから必要なものだけを残すことができるということだと思います。余裕がある、ということでもあるでしょうね。
若い頃は盛ること(プラスすること)に魅力を感じて、それに一生懸命になるかもしれません。でもそれは決して悪いことではなく必要なことであって、盛り方をいろいろと知っていくうちに、ある時期からだんだんそこから引き算することに魅力を感じていく。出せるものをあえて出さないことによってその部分を想像させることができる。飾らないことによって素材を生かすことができる。日本の「わび・さび」にも通じるお話ではないかと思います。
これは料理だけでなく、音楽表現にもいろいろあてはまることだなと思って聞いていました。
この話と関係するかどうかわかりませんが、今度MIDIの規格が1.0から2.0にバージョンアップするそうで、例えば音の強さを表すベロシティをとってみても、MAX値が現在の127から65,535にまで上がるそうです。今まで128段階(0を含む)で表現していたものが65,536段階で表現できるということですから、そうなると、もっともっと繊細な表現ができるようになるということですね。
数年後のことなので実際どんな感じになるのかはわからないですけど(その頃まで自分がまだ音楽制作やってるかどうかもわかりませんが^^; )、夢が広がる話ではあります。音源もそれに対応してどんどんリアルに近づいて、もう生楽器と打ち込みの区別がつかなくなっていくんでしょうねえ。
・・・ちょっと話が飛んでしまいましたが、このMAX値と引き算の話で思い出したので。
枠(知識、技術、選択肢)というのはどんどん広げていった方が良くて、それに応じて、その中からその時その時に最適なものを選んで何を引くか決めるのは、かなりのセンスや計算力が必要になります。私もMAX値を少しずつ上げていきながら、いい引き算ができるよう、これからも努力していきたいなと思いました。