つれづれ音楽NOTE

ジャズピアノの練習やレッスン、音楽制作のこと等々、気の向くままに思っていることを綴るブログです。

クイーンの思い出

私は実はストレートアヘッドなジャズを本格的に聴くようになったのは、大学を卒業して社会人になってからで、大学生の頃は当時全盛だったフュージョン系、中学〜高校生くらいの頃は洋楽ロック大好き少女(笑)でした。

で、特に中学生の頃は1番好きだったのがビートルズ(もちろん解散後です!(笑))で、当時ファンクラブに入るほどハマっていて、2番目に好きだったのがクイーンでした。(トシばればれ!)

ビートルズのことはまたいつか機会があれば書いてみたいなと思っていますが、この間クイーンをモデルにした映画「ボヘミアン・ラプソディ」が日本で公開されたので、先日観に行ってきました。映画を観て、色々当時のことを思い出してとても懐かしい気持ちになったので、今日はクイーンの思い出でも書こうかなと思います。


中学生の頃、ビートルズをきっかけに洋楽を聞くようになった私は、当時やっていたFMのラジオで「ポップスベストテン」という番組を毎週聴いていました。これは歌謡曲(邦楽)とポップス(洋楽)の2部構成の番組で(まだJ-POPなんて言葉もない時代で、ポップス=洋楽でした)、ポップスはシリア・ポールさんがDJだったと記憶しています。

そんな中で、初めてクイーンというバンドを知ったのは「輝ける七つの海(Seven Seas of Rhye)」がヒットチャートに上がってきた時です。あの印象的なピアノのイントロと、厚くて高音のすごいコーラス、よくわからん曲構成を聴いて、何っ、このバンド!?と衝撃を受けました。どうやら前年デビューしたばかりのイギリスのバンドとのこと。当時好きで聴いていたハードロックと言えば、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリングランド・ファンク・レイルロードとかでしたが、他のバンドとは全然音の雰囲気が違う! これはぜひアルバムを聴いてみたいと思いました。

と言ってもまだ中学生で、アルバム(LP)を買うお金も無かったので、FMラジオでクイーンの特集があれば、当時の最新兵器”ラジカセ”でカセットテープに録音し(いわゆるエアチェック)、それを毎日繰り返して聴いていました。(当時は新譜のアルバムをFMラジオで丸々かけてくれたりしていたんですよね。)英語の勉強をするために欲しいと言って親に買ってもらったラジカセだったのに、ほとんど音楽ばかり聴いてて、ごめんなさい。

で、最初に聴いたのが発売されたばかりの2枚目(「プロセッション」から始まるやつ)で、バロック的な雰囲気から始まって次の曲「Father To Son」に繋がってジャーンとハードロックになるのがかっこよくて、ボーカルもコーラスも演奏もアレンジもすごくて本当にアルバム全体がお気に入りの曲ばかりでした。その後1枚目や、3枚目以降も出るとすぐ聴きましたが、どのアルバムもバラエティに富んだいろんなスタイルの曲が入っていたので飽きなくて、毎日聴いていました。

  2枚目『クイーンⅡ』


  3枚目『シア・ハート・アタック』

3枚目の最初の「ブライトン・ロック」は、ギターソロが津軽三味線みたい!と思ったし、そして今回の映画のタイトルになっている4枚目収録の「ボヘミアン・ラプソディ」は途中でオペラ風になったりして(正直、初めて聴いた時は変な曲っ!って思ったけど^^;)、他にもカントリー風やらクラシック風やらいろんな要素があって、単なるハードロックバンドではなく、かと言ってプログレほど難解でも演奏メインでもなく(当時の私にはELPピンク・フロイドのようなプログレはよくわからず、その良さと凄さがわかるようになったのは、大人になってフュージョン〜ジャズをやるようになってからです)、とにかくボーカルとコーラスがすごかったので、それまで聴いたことがない本当に個性的なバンドだと思いました。

  4枚目『オペラ座の夜』

確か「キラー・クイーン」がヒットしたあたりから、日本ですごく人気が出てきたように思います。でも、なんか当時はなぜかアイドル的な感じで人気が出て、学校でもクラスの女子の間で、新御三家の中で誰が好き?っていうのと同じようなノリで、クイーンの4人の中で誰が好き?みたいな会話を普通にしていました。(ちなみに、やはりルックスからロジャーが一番人気でした。)

まだビデオも普及していない時代だったので、彼等のことは「MUSIC LIFE」や「音楽専科」などの雑誌に載っている写真とレコードの音源でしか分からなかったのですが(実はライブ映像を観たのはだいぶ後になってからです)、私は最初曲を聴いてクイーンを好きになって、後から雑誌で写真を見て、まず、あんな厚い音なのにメンバーが4人しかいない(ギターが1人しかいない)ことに驚いて「へえ〜、こういう人たちだったんだ!?」と思ったくらいだったので、こんな感じで人気が出てきたのはなんか違うなぁと秘かに思ったりしていました(苦笑)。

ちなみに私は当時4人の中ではブライアン・メイが好きでした。あくまでもギターがすごいから好きだったんですが。フレディのピアノも耳コピして、よく弾いていました。

私の中ではクイーンというと思い浮かぶのが大貫憲章さんです。当時、NHKラジオの「若いこだま」という番組で、DJの大貫さんや渋谷陽一さんがクイーンの話をしていたのでよく聞いていました。待望のクイーン初来日の時も、この番組にメンバーがゲスト出演して(スタジオゲストではなく、インタビューの録音だったかもしれない)、大貫さんが本当に嬉しそうだった記憶があります。(なんせ40年以上前のあやふやな記憶なので、もし渋谷さんとごっちゃになっていたらごめんなさい!)その時は確か、ブライアンが100年以上前の暖炉の木で作ったギターの話とか、空港に女性ファンがいっぱいいて本当にびっくりしたという話とかしていたのを覚えています。誰か忘れたけど女性ファンから「パンツ脱いで〜」と言われた話もしていたような・・・。(今思えば、なぜ録音しておかなかったのか・・・。)

でも、中高生でお金がなかった私は結局一度もクイーンのコンサートには行ったことがないし、大学生になってからはフュージョンの方に興味が移って行ってしまったので、クイーンを聴いていたのは70年代まで(アルバムだと「ライヴ・キラーズ」まで)です。

  1979年『ライヴ・キラーズ』

20代の頃、たまたま久しぶりに見かけたフレディはすっかり見た目が変わっていてびっくりしたし、亡くなった時も「ああ、そうだったんだ・・・」って初めて彼のプライベートなことを知った感じだったので、ずっとクイーンのファンを続けていらっしゃる方からしたら、私なんて全然ファンとは言えないと思います。だから、ただただ当時クイーンの音楽が大好きだったとしか言えないんですけどね。

・・・以上、とりとめのない思い出話ですみません^^;。


さて、今回の映画ですが・・・

ネタばれになるので、内容は書きませんが、フレディ以外の役者さんがそっくりなことには本当にびっくり&感心!! よくこれだけ似ている役者さんを見つけてきたな、と。私は特にジョン・ディーコンが本人かと思うほど似てると思いました。

あと、ライブシーンの完コピぶりも見事です! 音響も良かったし、大きなスクリーンで観ていると、実際にクイーンのライヴを見ているような気持ちになりました。

当時は歌詞なんて全然気にしていなかったので、字幕で歌詞の内容が表示されて、ボヘミアン・ラプソディってこんなに衝撃的な内容の歌だったのか!って今更びっくりしたり。

映画のフレディの歌声はどうやって撮影したんだろうと思いましたが、あとで調べたら、フレディ本人の音源と、役者のラミ・マレック、歌声がそっくりな方、という3人の歌声が混じっていたようです。見ている時は全部フレディが歌っているように聴こえて、全く違和感がありませんでした。

私がクイーンを聴いていたのは70年代の6〜7年だけだったので、80年以降の曲はほとんど知らず(恥ずかしながら「Another One Bites the Dust」も「Radio Ga Ga」も知りませんでした)、へえ、こんなポップな感じの曲もやっていたのかと意外に思ったり。

でも「Radio Ga Ga」の歌詞にはほろっとしました・・・。私も上に書いたように、10代の頃はラジオをよく聴いていて、洋楽の情報はラジオから得ていたので。

映画は実際のエピソードとは年代が前後してたりもしていたようですが、当時、音楽面しか知らなかった自分は、裏側ではこんなことがあったのかとか、この曲はこうやって生まれたのかというのを知って、いろいろと感慨深いものがありました。

ただ、昔クイーンが好きだった者としては、やはり役者さんではなく本人達が歌って演奏している映像を見たいと思ってしまうので、もう1度観に行きたいかというと微妙なところではありますが、懐かしい曲を良い音響でいっぱい聴けて、久しぶりにまたアルバムを聴いてみようという気持ちになったし、ネットはもちろん家庭用ビデオすらなかった当時は動くクイーンの映像なんて見れなかったので、今になって動画サイトでいろいろ見たりして(なんとクイーン公式チャンネルがあるんですね!)、新しい発見もあって本当に良い機会になったと思います。

特に初期の頃の曲を久しぶりに聴くと、懐かしいと同時に、ジャズをやっているうちに忘れがちになっていたけど曲作りってこれくらい自由でいいんだということを改めて思い起こさせてくれたという感じです。

ボヘミアン・ラプソディサウンド・トラック

この映画をきっかけに若い方達にクイーンの音楽の良さを知っていただいたりするのは嬉しいことなので、当時クイーンのファンだった方も、クイーンを知らなかった方も、ぜひ1度はご覧になっていただきたい映画だなと思いました。