つれづれ音楽NOTE

ジャズピアノの練習やレッスン、音楽制作のこと等々、気の向くままに思っていることを綴るブログです。

ジャズピアノの習得[5] 耳コピについて

★聴く(2)

前回、「聴くこと」の重要性と、耳コピについてちらっと書きました。

しかし、耳コピなんてやったことがないから自分には無理だとおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。音を取るなんて、何だかハードルが高いと感じているのではないでしょうか。

でも耳コピって、ほとんどの方がやったことあるはずなんですよね。たぶん「マネして歌う」のはほとんどの方ができるのではないでしょうか?

たとえばカラオケで歌う曲は、原曲を聴いて覚えてますよね?
いちいち譜面を買ってきて覚える方はほとんどいないと思います。

あるいは、コンサート等でコール&レスポンスをすることがあると思いますが、アーティストの方が歌ったフレーズをそのまま繰り返して歌うとか、皆さん普通にできてますよね。

楽器の曲でもメロディーは歌えますよね。有名な曲のイントロとかも歌えると思います。それが「歌」「メロディー」から「ピアノ」に変わっただけです。音は取れるはずなんです。

それなのに、ピアノの耳コピだとなぜ難しいと思うのか、原因を考えてみました。

(1)原曲はいろんな楽器の音が混ざっていて、歌ならわかるが、ピアノの音だけ取り出すのが難しい。

聴きたい楽器の音だけに集中するというのは、聴こうという気持ちと慣れの問題です。
音楽をやっていない人でも、あるバンドのファンの人だったりすると、自分の好きなメンバーの楽器の音をやはり集中して聴いたりするそうです。なので、とにかくピアノの音に気持ちを集中して聴いてみましょう。

(2)ピアノは単音ではなく和音が鳴ってるから聞き取りが難しい。

ピアノは単音楽器ではないので、確かに和音が鳴っていると聞き取りにくいかもしれません。とりあえずは、アドリブフレーズなら単音のフレーズからコピーしてみるとか、ピアノだけに限らずサックスのような単音楽器のフレーズをコピーしてみてはいかがでしょうか。管楽器のフレーズにはきちんと息継ぎが入っているので、ピアニストにはとても勉強になります。

ジャズのスタンダード曲やレッスンの課題曲をコピーする場合は、コード譜を既に手元に持っていると思いますので、トップノート(一番上の音)を聴き取れば和音はコードネームから大体わかるのではないかと思います。コードトーンやテンションの知識がこういう時に役に立ちますね。

(3)速いフレーズが歌よりも複雑。

今はピッチを変えずにテンポだけ遅くするソフトやアプリがあって、本当に便利になりました。その部分だけ範囲指定して何度も繰り返すことも簡単にできるようになっています。速いフレーズもそういうアプリ等を使えば音が取れるのではないでしょうか。

最近まで知らなかったのですが、今は動画サイトでもピッチを変えずに再生速度を変えることができるんですね!
昔レコードやCDからコピー用にカセットテープに落として何度も何度も巻き戻して音を取ったことを思うと、今はもう本当にコピーがやりやすくなっていますよね。(カセットテープって何ですかって聞かれたらどうしよう・・・^^;)

(4)音を聴いて歌えても、それがピアノで何の音になるのかわからない。

絶対音感でなければ、聴いただけで何の音かなんてわからないのは当たり前です。実際に音を出して確認してみましょう。
それでもコード譜が既にあれば、キーから大体予測はつきますよね。ここでも理論の知識が役に立ちます。


耳コピって最初はすごく時間がかかると思いますが、数拍から1〜2小節のフレーズだけとかなら何とか心折れずにやれるのではないでしょうか。少しずつ慣れていけば、だんだんコピーも苦ではなくなってきますので、ぜひトライしてみて下さいね。ジャズピアノを練習してテンションの音に耳が慣れてくると、テンションが入ったコードの聞き取りもできるようになりますよ。


あと、音源を集中して聴いていると、耳が鍛えられて、だんだんと他の楽器の音も聴けるようになってきます。

セッション等でピアノは他の楽器のソロの時にバッキングもする訳ですが、ジャズは音での会話なので、この時に他の楽器の音を聴いてうまく反応できるようにしたいですね。

人と会話している時に聞き上手になるには?
話し手の気持ちをうまく盛り上げるには?
バッキングも言葉の会話と同じです。
「こいつ俺の話聴いてないな(-_-;」って思われないよう、話し手が気持ちよく話せるようにしてあげましょう。

参考音源を聴く時は、アドリブソロだけではなくバッキングも他の楽器に対してどういう風にやっているのか聴いてみて下さいね。