つれづれ音楽NOTE

ジャズピアノの練習やレッスン、音楽制作のこと等々、気の向くままに思っていることを綴るブログです。

基礎練習 - コードトーンの練習

レッスンの時間というのは月1〜2時間、多い人でも4時間くらいと非常に限られているため、大人の生徒さんの場合、できるだけ効率的に進めていきたいというのもあって、毎回出している課題は必要最低限のものにしています。しかし、これはもう本当に最低限なので、教えていて時々悩むところではあります。

例えば、ジャズピアノのレッスンでは、まずコードトーンを覚えたら、そのための応用曲(コードトーンのみで弾く曲)は数曲しかやらないのですが(ジャズをやりたいということでコードトーンは基礎として理解して、そのあとのテンションを入れたコードをメインにするため)、コードが初めてという方にとっては、それだけだとコードトーンを身につけるには正直なところ全然足りないんですよね…。

自分自身、ジャズでテンションノートを勉強するまでに、ロックやポップスなどでコードを使ってどれだけの曲数を弾いたのか考えると、それはもう数えきれないくらいの曲数を弾いてきました。

なので、コードネームを見てコードトーンがパッと思い浮かばないというのは、初めてであれば当然なんですが、そういう方はレッスンの課題曲だけでなく、自主的にどんどんいろんな曲でコードを見て弾いていただきたいなと思っています。

昔は「明星」など芸能雑誌の付録に歌本というものがついていました。当時のヒット曲などの歌詞とコードがかなりの曲数載っていたので、昔それを見てギターでコードを弾きながら歌っていた方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。ギターの人ってそうやってどんどんコードを覚えていくんですよね。ピアノの人もコードをマスターしたいなら、同じようにやっていくのがいいと思います。

今はわざわざ本を買わなくても、ネットに歌詞とコードが載っているサイトとかあるようですので、そういうので自分が知っている曲や好きな曲のコードを見ながら弾いてみてはいかがでしょうか? コードの練習だけだとつまらないけど、好きな歌をコードで伴奏しながら歌うと楽しくなるかもしれません。(サイトによっては移調したコードまで表示されるものもあります。最初は簡単なキーからやってみるとか、同じ曲でも移調するだけでいろんなキーのコードで練習できるので便利ですね。)

弾く時はコードの基本形だけでなく転回形も使って、トップノートの流れも意識して、できるだけスムーズにコードチェンジできるよう、自分で工夫していくことが大事です。

ジャズをやりたいのにポップス弾くの?と思われるかもしれませんが、まずはコードの構成音がパッと出てこないことには、結局ジャズのアドリブは弾けないんですよね。

ジャズのアドリブでは、今弾いているコードを意識するだけではなく、次のコードで使える音(コードトーン&テンションノート)にフレーズがスムーズに繋がるように弾いています。数小節先までコードの流れも意識して、コードトーンとかはほとんど無意識レベルに近い状態で理解しているという感じです。

しかし生徒さんを見ていると、テンションを入れたコードの押さえ方までマスターしても、手の形で覚えてしまって、コードトーンだけで弾く場面になると音がわからなくなる方は結構いらっしゃいます。最初に習っても忘れてしまうんですよね…。

Ⅱ-Ⅴ-Ⅰの形で全キーで練習しても、その順番で最初から弾いてみないとわからないとか、九九を覚えても4×6=24を出すのに、2×2=4から順番に全部言わないと分からないみたいな感じだったりします。

せっかくコードを習ったのですから、そういう方は上に書いたように課題曲以外のいろんな曲を歌詞とコードだけ見て弾いてみるとか、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰをランダムなキーの順番で弾いてみるとか、練習方法を自分でいろいろ工夫してみて下さいね。

練習というのはあくまでもレッスンのためではなく、自分自身が音楽を楽しむためにやるものですから、好きな曲をどんどん自主的に弾いてみましょう。仲間とバンドを組んで練習するのも楽しくて良いと思います。練習というより、遊ぶという感覚です。

いろんな曲を弾いていると同じコードが何度も出てきて、やっているうちにコードトーンがパッと押さえられるようになりますよ。