つれづれ音楽NOTE

ジャズピアノの練習やレッスン、音楽制作のこと等々、気の向くままに思っていることを綴るブログです。

基礎練習 - メジャースケールの練習

メジャースケールというのは本当に基礎の基礎で、日本語で言うと「あいうえお」みたいなものなんですが、ジャズピアノを始めるにあたって全てのキーのメジャースケールが分かっていないと、コードなどの理論を理解したりアドリブをする上でどうにもならないので、まずそれを練習することが多いと思います。

私のレッスンでも、クラシックピアノの経験がかなりある方でも、まず最初はメジャースケールを全キーで弾いていただいています。

クラシックではスケール練習というと指のウォーミングアップ的な要素が強いと思いますが、ジャズなどポピュラーの場合はそれだけではなく、各キーの構成音を理解し、何番目の音が何なのかをパッと頭に思い浮かべられるよう身体にしみ込ませるためにやるという感じです。(あと、私のレッスンでは裏拍を意識することも同時に取り入れています。)

なので、スケール練習でドレミファソラシドが弾けたらそれでメジャースケールをマスターしたというわけではありません。全キーでメロディーが弾けて初めてマスターしたと言えるでしょう。

例えば、最初はメジャースケールの音だけでできている本当に簡単な曲、「ちょうちょ」でも「きらきら星」でも何でもいいので、それを全キーで弾いてみて下さい。

自分の頭の中に鳴るメロディーがどのキーでもきちんと音に出せましたか?
決して移調した音符を譜面に書かないで下さいね。書くと読譜になってしまうので意味がなくなってしまいます。キーだけ決めて何も見ないで弾くようにしましょう。きっと最初は弾きながらすごく頭を使うと思います。

おすすめは「ハッピーバースデー」、「きよしこの夜」、「イッツ・ア・スモール・ワールド」、滝廉太郎の「花」などでしょうか。メジャースケールの全ての音を使うし、メロディーが1度ではない音から始まり、適度に音が飛んでいて、さらに「きよしこの夜」「イッツ・ア・スモール・ワールド」「花」の場合は1オクターブ以上使う曲なので、良い練習になると思います。

できれば、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ(キーCなら、C・F・G)だけでいいので、左手でコードもつけて(できれば転回形も使って)弾いてみましょう。コードネームについては最初のうちは書いても構いません(コードネームだけで、音符は書かないで下さいね)。各キーのコードネームを頭に思い浮かべながらメロディーを弾いてみて下さい。

これもある意味スケール練習です。苦手なキーはこうやってまず簡単な曲で練習して慣れるといいですね。

メジャースケールなんてわかってるよ!!って思うかもしれませんが、こうやって弾いてみると、ピアノ経験の長い人でもこういう簡単なメロディーがなかなかすんなり弾けないものなんですよね。


ジャズの場合は曲中でキーが転調することも多く、その曲のキー自体がBとかG♭という曲は少なくても、曲中にそういったキーのダイアトニックコードが出てくることが少なくありません。(例えば、C♯m7-F♯7、A♭m7-D♭7などⅡ-Ⅴの形で出てくることが頻繁にあります。)なので、こういうコードが出てきた途端にアドリブが不自由になってしまわないよう、苦手なキーのスケールにも慣れておく必要があるのです。

五十音で、例えば「ば行」は出てくる頻度が少ないから別に覚えなくてもいい、ということにはならないですよね。頻度に関係なく、五十音全部覚えなかったらいつまでたってもきちんとした日本語が使えるようになりません。それと同じです。

あと、歌の伴奏の場合は同じ曲でも歌い手さんによってキーが変わります。特にジャズの場合はセッションやライブの本番でその場で譜面を渡されて弾くことが多いので、どんなキーでもさっと対応できるように全キーに慣れておきましょう。


前にも書きましたが、ジャズのアドリブというのは頭の中に浮かぶメロディー(自分が出したいと思っている音)を演奏するわけです。そのためにはまず、こういう何でもいいから知っている簡単な曲のメロディーを、どんなキーでも譜面なしで演奏できるようにするところからやってみましょう。